アフリカの女王 [THE AFRICAN QUEEN](1951)
出演:ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘプバーン
戦争のさなか、アフリカにいたハンフリー・ボガート演じるイギリス人のチャーリーは宣教師のローズとともに戦争から逃れるため川を下ることになる。しかし、先には行く手を拒むドイツ軍や激流が待ち受ける。
これは古きよき映画です。
まず、映画はゆっくりとそして確実に進んでいきます。
この映画はじっくりひとつのシーンを見せることが多い。
だから気を抜いて観れるけれど、劇的な展開を望んでいる人には向いていないかもしれない。今の映画って背景、色、テンポなど一昔前の映画よりも様々なことにこだわって作られている気がする。だからといって昔の映画が駄目なわけではなくて、昔の映画はそれ独特の情緒みたいなものがあるからいい。きっと今の映画って現代社会でより複雑になった人間心理みたいなものをそのまま映し出していると思う。人も社会も複雑になって、それなのに映画だけは、単純明快なわけにはいかない。
1951年って相当前に思えるけれど、その約5年前まで戦争していたと考えられると信じられない。そんな時代の人の感覚で作られた映画。
今ある映画とは、根本から見ているものが違うのは確かだと思った。