カリートの道 [CARLITO’S WAY](1993)
出演:アル・パチーノ,ショーン・ペン
闇の世界から抜け出そうと決意し、刑務所から出てきたカリート。
その世界から手を引こうとするが、今まで身を投じてきた世界の存在は大きく・・・
一度足を踏み入れたら抜け出せないもの・・・
この映画ではそれを描いている。どう頭でわかっていても
自分の意思とは反することをしてしまうことは誰にでもある。
この映画の監督は、映画に出てきたような街で育ったらしい。
最近、映画を観て思うことは、やっぱり監督は自分で見て
肌で感じたことを映画にすることが多いということ。
まあ、確かに例えば何も知らずに日本人がヨーロッパの詩劇に挑んだとしたら、現地の人から見たら滑稽になるだろうと思う。
やっぱり自分の生きてきた世界を映像の中に描くのが
一番、素直で自然なんだと思う。
アル・パチーノのギャング映画はいくつか観てきた。
違う映画の中でも同じところと違うところを少し発見できたのは
良かったと思う。でも、やっぱりゴット・ファーザーでの
若い頃と後年のアル・パチーノの違いほどの驚きには最近出会っていない。
ハリウッドの同じ役者の作品を続けて観るとだいたいある一定の時期から
何か演技の中で何か一貫して見られるものが出てくると思った。
スターになる前に定まっていなかった演技の方向性が決まってきた兆候なのかもしれないけれど、それはわからない。そして、役者って本当に比べられないと思った。みんな違い過ぎる・・・役者が誰かの演技の真似をしても、結局見た目や感じていることが違うので、同じになることは絶対にない。
むしろ自分にないものを出そうとするよりかは、自分にあるものの中のほんの少しの個性を出せばもっとオリジナルで誰も真似のできないものになるんだと最近感じる。自分もそろそろ自分の個性を生かして、舞台で生きたい。
自分は今、全くこういう世界とは無縁のところにいるけれど
今の場所から学べたことは大きい。それをこれからのバネとして使っていきたい。
さぁあと7本も集中して観ます。