アメリカでやって行くか?それとも母国でやっていくか?それは役者を目指している、いないに関わらず、外国人ならみんな一度は考えること。自分はアメリカでやっていきたい。それはここで今までやってきたことよりももっとおもしろいことや意味のあることができると信じているからだ。それを実現させるには、山のように連なっている問題を少しづつ、解決していかなければいけない。
数日前にある友人がアメリカ移民帰化局(INS)に行った。そして、この旗とともにアメリカの市民権を取得した。市民権取得とは、どういうことか?それは完全なアメリカ人になることを意味する。よく言われているグリーンカードを取得すれば、アメリカに永住できる。ただし、永住できるだけで選挙権はない。それだけではない。アメリカ永住権を持っていて、アメリカ市民権を持っていないと自分の母国に帰国できる期間は3ヶ月以内になる。ということは自分の元の国にずっと滞在することはできないから、もし、後々帰国したくなっても、3か月ごとにアメリカに戻ってこなければいけない。だからもし、アメリカに移民するとしたら市民権を取ることが移住という意味での本当の最終的なゴールになるんじゃないかと思う。友人はこの日が来るのを15年以上も待っていた・・・
自分にとってそれはまだまだ先の段階だけれども、今の時点では、移住に関しての完全な答えは見つかっていない。それ以前に労働許可がないからまともアメリカで働くことさえできない。これも日本人俳優達をハリウッドから遠ざけている大きな要因だと思う。自分もいずれこの問題を真っ向対決していかなければいけないことになる・・・
ここで近況について少し書いていきたい。
アメリカで学生としてアメリカ人達と勉強を開始した。これから新しいアメリカ社会の新しい一面を垣間見ることができそうだ。だとしても、いつまでも社会科見学はしてられない。日常の中で自分とアメリカ人の考え方の違いに驚くこともあったりした。そして、ふとあることに気づいた。それはアメリカ人でも、役者を始める段階では自分たち外国人とそんなに変わりはないということ。どこどこ生まれの何人っていう前に「人間」ていう意味では(笑)もちろん、英語の幅やコントロールや機微については違うけれども、根本的な部分を見ればみんなそんなに差がないと思った。ただ、英語を含めて考えなければいけないので、現実は多少過酷なものになるかもしれない。
役者として、挑戦という前に素直に今の気持ちを書きたいと思う・・・
それは家がハリウッドからめちゃくちゃ遠いということだ!!(苦笑)以前の滞在から薄々気づいていたけれど、前回は下見だったのでそれは大きな問題ではなかった。これからは一分一秒を真剣に考えて、価値のある時間に変えていかなければ、次のステップまで行き着くことはできない。そんな中での一日の2時間の運転は大きな比率を占める。ハリウッドに行くには、小山を越えて、ラジオのチャンネルを変えなければいけないと言えば、どのくらいの距離なのか想像がつきやすいかも(笑)・・・
全く渋滞していなければ、その問題は多少はましになるけれど、そんなことはフリーウェイの車線が増えない限りはありえない(苦笑)ということなので、今は引越しを真剣に考えているところ・・・・実は一緒に住んでいるオスカー家族も引越しをちょうど考えているところで、お互いに今後についてどうするかなんて話し合ったりしてもいる。彼らとはある部分で共通の目標を持っているので、プラスに良い影響を与え合えるほど良いことはない。そして、今までお世話になった恩は今後絶対にどのような形でも返したい。
「役者」としての道を生きるまではまだ遠いかもしれないけれど、今、生活の中の何かが少し変わってきた。現実を知り、課題は増えるばかりだけれども、やりがいは感じる。これからは「ハリウッドで役者になる」ではなくて、日本人としてハリウッドでどのように、どんな役者になるかを考えなければ。アメリカ生まれのアジア人とは確実に違うものを人生で見てきたと思うので、それを役として一人の人間として表現できればと思う。
今は浮き足立ってオーディションを受けに行く前に
もう少し根本的な部分を固めていこう。
続く・・・